読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

大人のための子どもの本の読書会

向島こひつじ書房が主宰する読書会ブログ

アルファベット絵本 ABC

みなさん、2017年もこひつじぐりのりの読書会をよろしくお願いします。

1月、吉田新一先生の講演会に行ってきました。『アメリカの絵本』(朝倉書店) 出版を記念してのお話。会場は銀座の教文館。「アメリカの絵本」とは広範囲なお題なので、いったいどのようなお話になるのかしらと思っていたところ、アルファベット絵本に特化した内容でした。このひねり具合が、たまりません。あまり関心のないジャンルでしたが、新しい扉を開いていただき、時間を見つけながら実際に絵本に触れていこうと思ったこひつじです。

 

吉田先生が取り上げた作品を並べておきます。いつか読む日のために。ただ、調べてみると、アマゾンで扱っていないものも多く、ご紹介していただいたものの一部に過ぎません。

 

(ざっくりと年代順になっています )

ABC Book

ABC Book

 

 木版画の美しさ。動物アルファベットの古典的な良書。

Ape in a Cape: An Alphabet of Odd Animals

Ape in a Cape: An Alphabet of Odd Animals

 

 韻を踏んだテキスト。

Animal ABC (Big Little Golden Book)

Animal ABC (Big Little Golden Book)

 

 『しろいうさぎくろいうさぎ』のガース・ウィリアムズの動物 ABC。小さなうさぎのカットが全編に入って彩りを添えています。

Bruno Munari's ABC

Bruno Munari's ABC

 

 複数の名詞が登場。

All Butterflies: An ABC

All Butterflies: An ABC

 

   AB、CD、EF、とアルファベット二つずつでテキストが作られている楽しさ。『3びきのがらがらどん』の著者。こひつじはこれがいちばん気に入りました。

Alligators All Around: An Alphabet (The Nutshell Library)

Alligators All Around: An Alphabet (The Nutshell Library)

 

 センダック !

Abc Bunny (Fesler-Lampert Minnesota Heritage): Newbery Honor Book, 1934

Abc Bunny (Fesler-Lampert Minnesota Heritage): Newbery Honor Book, 1934

 

 『100まんびきのねこ』のワンダ・ガアグらしく、黒が効いています。

Sleepy ABC

Sleepy ABC

 

 マーガレット・ワイズ・ブラウンの眠らせ絵本のひとつ。アルファベットを読み聞かせながら、ぐっすり。

A. for Ark

A. for Ark

 

 ノアの箱船に入る動物たちの順番を用いています。

 ドクター・スースー。 

ABCの本―へそまがりのアルファベット

ABCの本―へそまがりのアルファベット

 

安野さんのこの本は、日本とイギリスで同時発売されたそうです。周りの唐草模様は、アルファベットを使った隠し絵に。アルファベットの文字の形そのものに着目したところが、世界をうならせたそうですよ。こひつじもこの本は大好き。

 

講演は、ルイスのこんなことばから始まりました。

「大人になって読む価値のない子どもの本は、子どもにとっても読む価値のない本だ」。厳しいと思われますか ? 正論過ぎますか ? こひつじは、ルイスのこういうきっぱりした物言いは大好きです。

ABC絵本は、本来、子どもがことばを覚えるためのものです。時代が進むにつれて、子どもがどこかに置いてかれて、デザイン先行のものが目立つようになる傾向が見られます。いわば、デザイナーの自己満足では ? と考えさせられることばをたくさんいただきました。子どもに阿るのではなく、子ども不在ではなく、子どもを中心に据えて子どものための本を作る。この初心は、時代が変わっても変わらない真理だと感じます。

 

アメリカにおけるアルファベット絵本の大きな流れとしては、見開きで、片側がアルファベット1文字、もう片側がその文字を使った絵というパターンから始まります。つまり、ことば、物、(例/a、appleのように名詞)の順序で進行します。写真のような絵、そして、ポスター美術の影響を受けた木版画の美しいものが登場します。テキストは、ひとつの文字に対して、複数のことばが扱われていきます。映像時代にふさわしく、子どもの視線が横に流れていく作りも取り入れられます。こうなると、名詞だけではなく、AからZの順で、動詞で進行します。全体がひとつの統一された物語になるようにテキストと絵が組まれたり(例/ A is Apple Pie. そのApple Pieが、最後にどうなるか ?)、韻を踏んだり (例/ Fox is Box.)、わらべうたを取り入れるものも多くあります。また、隠し絵の工夫によって、繰り返し読んだり、丹念に見る絵本ならではの楽しみを教えてくれます。

 

忘れないうちにと思って、うかがったお話の筋の筋だけをまとめて書いてみました。 恥ずかしながらこひつじは、紹介していただいた絵本の中で、実際に読んだことがあるのは3冊だけでした。去年の夏頃か、下落合にある「God  Bless you」という手芸カフェにたまたま入ったとき、センダックの『アメリカワニです、こんにちは』という豆本を棚から見つけて読みました。エルダーフラワーのアイスハーブティーの爽やかな味と、センダックのユーモアが、こころをほぐしてくれた時間でした。今回の吉田先生のおすすめ本に加えられていました。図書館用に大きめの装丁も出ているようです。日本語でも読めますのでご紹介しておきます。

アメリカワニです、こんにちは

アメリカワニです、こんにちは