大人のための子どもの本の読書会

向島こひつじ書房が主宰する読書会ブログ

よくある質問 Q&A

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2011年に始まったこひつじこすみの読書会。がんばらずにマイペースで、と思っているうちに、5年が過ぎました。毎回、新しい出会いがあり、のべにするとたくさんの人たちと大好きな子どもの本を読むことができました。

この度、こすみ図書さんがお引越しされることとなり、この読書会にも少し変化が起きそうです。墨田区を拠点にしてきましたが、新相棒のオオグリとしょかん(ぐりのりさん)は別のまちにお住みですので、もう少し広域に、東京の東と西を結んでみようか、ということになりました。

新生こひつじぐりのりとして、読書会は初めてという方のために、これまでいただいた質問にお答えしてみようと思います。

 

 Q:子どもの本に詳しくなくても参加できますか ?

 A:はい、大丈夫です。評論し合うのではなく、個人の感想を中心に分かち合いますので、まずは興味のある課題図書を選んで参加してみてください。

 

 Q:読書会にこれまで参加したことがないので心配です。

 A:こひつじのたちの読書会で、読書会デビューされる方がほとんどです。

 

Q:課題図書を読まなくても参加できますか ?

A:基本的にはあらかじめ読んでの参加をお願いしています。ただ、時間の都合等で完読できないこともあるかと思います。その場合にも、どうぞ安心してご参加ください。じつは、読書会を始めたころは、完読できない人が多く、回数を積み重ねるごとに、完読しての参加が増えました。というのも、読み終わってから参加すると、より楽しいと感じるからのようです。通勤の行き帰り等で、ぜひ挑戦してみてください。本は図書館のもので構いませんので、必ずご持参ください。

 

Q:開催日を知りたいのですが、どこでわかりますか?

 A:このブログと Facebookツイッターでお知らせしています。 Facebookをいちばん更新していますので、フォローしてくだされば、最新情報が届きます。

 

Q:読書会の準備として、おすすめの読み方はありますか?

 A:こひつじは、いつも付箋をつけながら読んでいます。気になる場面、セリフなどにマークしておくと、話し合うときに思い出しやすいので便利です。

 

 Q:大人読み、とは何ですか?

 A:感想の分かち合いから一歩進めて、最後には、課題図書の背景や、著者のことなど、主宰者たちが少し説明をするようにしています。それを知ることで、また、別の角度から、読みを深めて楽しむ読書の遊びです。

 

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こすみ図書では最後の読書会となった『ムーミン谷の冬』。

いつもこんな雰囲気。

 

お待ちしてます!

 

 

 

 

 

『ムーミン谷の冬』読書会報告Twitter

 

新装版 ムーミン谷の冬 (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の冬 (講談社文庫)

 

 

 

 

『ムーミン谷の冬』読書会参加者募集中

 2016年、最初の読書会はムーミンです。4年前にスタートしたこひつじこすみの読書会で、初回に選んだのがこのムーミンシリーズでした。その後も、ムーミン初心者向けに『楽しいムーミン一家』の読書会を開きました。今回は、季節に合わせて「冬』を選びました。ムーミン谷の冬の世界に暮らす、個性的な生き物たちにどっさり出会えますよ。ムーミン谷に、春はいつ来るのでしょうか。ムーミンの気持ちに寄り添いつつ、どきどきしながら読んでみてください。会場となる冬のこすみ図書も、天然空間のため冷え込みますので、暖かい格好をしてご参加ください。

ムーミン谷の冬 (ムーミン童話全集 5)

ムーミン谷の冬 (ムーミン童話全集 5)

 

 

日時:2015年2月13日(土)17時30分〜19時30分

会場:こすみ図書

参加費:500円(お茶とお菓子付き)

持ち物:『ムーミン谷の冬』をお持ち下さい。

参加条件:課題図書を、当日までに読んでこられること。
     (青い鳥文庫以外の講談社の完全訳をおすすめします。)

参加ご希望の方は、booksheepbook@gmail.com

・氏名

・年代

・連絡先

を明記の上、ご連絡下さい。折り返しお返事いたします。お茶菓子のご用意がありますので、できるだけお早めにお申し込みください。


こすみ図書 へのアクセス
〒131-0033 東京都墨田区向島5-48-4
東武伊勢崎線亀戸線曳舟駅」から徒歩10分ほどです。
(注:京成曵舟ではありません)</span>

「絵本とごはんの読書会」に集まった絵本たち

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1月も半ばを過ぎた今ごろですが、2015年度・クリスマス絵本とごはんの読書会で集まった絵本たちを紹介します。これといってスタイルを決めず、自由に語りたいように、持ち寄った本を紹介し合いました。途中、ごはん休憩をとりつつ、最後には読み聞かせしてもらたい絵本を一冊、せーの、と指差しをして選びました。いわゆるビブリオバトル風ですが、「バトル」という表現は好まないよね、という意見にまとまったりするところが、この読書会の雰囲気を表しているでしょうか。選ばれたのは図書館司書さんが持ってきてくださった『クリスマスのほし』。やまあらしのぼうやが主人公で、心の奥がぽっと明るくなるような物語。こひつじの本棚にもちゃんとありますよ。大人になっても、だれかに絵本を読んでもらうのは幸せな時間。今年も12月には開催する予定ですが、年に2度くらい開ければと、ただいま妄想中です。

 

やまあらしぼうやのクリスマス

やまあらしぼうやのクリスマス

 

 

クリスマスのほし (1983年)

クリスマスのほし (1983年)

 

紹介してくださったのはこちら。アマゾンには残念ながら表紙がありません。教会学校の話なのですが、新版では変更されているようですね。こひつじが持っているのもこちらです。

ぴちぴちカイサとクリスマスのひみつ (創作こども文庫 17)

ぴちぴちカイサとクリスマスのひみつ (創作こども文庫 17)

 

リンドグレーンには、子ども時代、それほどはまったことはないのですが、最近、いろいろと読んでみて、子どものことをなんとよく理解しているのだろうと感嘆することしきり。今年はぜひ読書会で取り上げたい作家です。

クリスマスまであと九日―セシのポサダの日

クリスマスまであと九日―セシのポサダの日

 

マリー・ホール・エッツの絵。女の子の気持ちが、丁寧に描かれています。こひつじ、この絵本が欲しくなりました。

クリスマスの猫

クリスマスの猫

 

クリスマスシーズン中の教会が会場だったこともあり、クリスマス本を持ってきてくだった方が多かったです。

ティリーのクリスマス

ティリーのクリスマス

 

 

こねこのぴっち (岩波の子どもの本)

こねこのぴっち (岩波の子どもの本)

 

 

読書会の初期メンバーであるミッチーさんは、年に一度、ほっぺん先生シリーズを紹介してくださいます。今年は食物連鎖がテーマのこちら。

どうぶつにふくをきせてはいけません

どうぶつにふくをきせてはいけません

  • 作者: ジュディバレット,ロンバレット,Judi Barrett,Ron Barrett,ふしみみさを
  • 出版社/メーカー: 朔北社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 大型本
  • 購入: 2人 クリック: 5回
  • この商品を含むブログ (27件) を見る
 

 

そんなときなんていう? (岩波の子どもの本)

そんなときなんていう? (岩波の子どもの本)

 

 

おやつがほーいどっさりほい (新日本出版社の絵本 ふれあいシリーズ 3)

おやつがほーいどっさりほい (新日本出版社の絵本 ふれあいシリーズ 3)

 

 

ブローチ

ブローチ

 

アート作品としての絵本かな。一枚一枚めくるのに、ちょっと緊張する仕掛けが。ゆっくり読む。情報をかき集めて満足するような今の時代に、大切なことだと思います。

和菓子のほん (たくさんのふしぎ傑作集)

和菓子のほん (たくさんのふしぎ傑作集)

 

こすみ図書さんは、昨年に引き続き「たくさんのふしぎ」シリーズから。子どものころ、毎月届くのを楽しみにしていたとか。幸せな子ども時代の読書体験ですね。

やねはぼくらのひるねするばしょ (たくさんのふしぎ傑作集)

やねはぼくらのひるねするばしょ (たくさんのふしぎ傑作集)

 

 

Separate Ways 君のいる場所

Separate Ways 君のいる場所

 

 大人の読書会ということで、紹介してくださいました。ほんのり恋愛もの。

扉の国のチコ

扉の国のチコ

 

『ねずみくんのチョッキ』のねずみくんシリーズで有名な、なかえよしおさんと上野紀子さんコンビのもうひとつの顔。

きょうはマラカスのひ (日本傑作絵本シリーズ)

きょうはマラカスのひ (日本傑作絵本シリーズ)

 

さて、ここからの5冊は、こひつじが紹介した絵本です。個人的には、これが昨年のイチオシ絵本。「マラカスの会」に参加したい !  くねくねさんのパンを食べたい!  担当編集者さんのお話をうかがう機会があり、ますます好きになりました。

 とにかく笑ってしまう。そして、ほろり。読み終わって、ああ、よかった。

さよならをいえるまで

さよならをいえるまで

 

昨年、こひつじは、11年間一緒に暮らしたボーダーコリーを亡くしたのですが、この本にいちばん慰められました。今でもこの本を読むと泣けます。でも、この泣ける感じがいいんですね。絵、いいですよ。やっぱり絵本は、絵の上手な書き手が好きです。

きょうはみんなでクマがりだ (児童図書館・絵本の部屋)

きょうはみんなでクマがりだ (児童図書館・絵本の部屋)

 

裏表紙には、ボーダーコリーの姿が。有名な絵本のようですね。知らずと洋書の古本屋さんで見つけ、その後で日本語版も買いました。声に出して読むと、なお楽しい絵本です。

ゴールディーのお人形 (末盛千枝子ブックス)

ゴールディーのお人形 (末盛千枝子ブックス)

 

本を書くってなんだろう。そんなことを考えていたこひつじに示唆を与えてくれた絵本です。ゴフスタインの本はどれも好きです。

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トトロおむすび。作ってきてくださったのは男性。感激。

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絵本の話は尽きせません。

CREA 2月号『大人の少年少女文学』

 

CREA 2016年2月号 大人の少年少女文学

CREA 2016年2月号 大人の少年少女文学

 

 

クレア的な大人のための子どもの本の特集、完全保存版。こひつじも、企画のお手伝いを少しと、名言集や名作の舞台のページを書きました。取り上げた作品は、『秘密の花園』『トムは真夜中の庭で』など、こひつじこすみの読書会で読んできた作品がたくさん。あらためて、まだまだ素敵な子どもの本が山ほどあるのを感じています。2016年度も、不定期開催とはなりますが、ゆるやかに続けていきたいと思っていますので、お気軽にご参加ください。

 

次回の読書会は2月、『ムーミン谷の冬』に決まりました。この作品も、名言がいっぱい。日時がわかり次第、ブログや F Bなどでお知らせします。場所はこすみ図書です。こひつじこすみのコンビでは最後の開催となる予定ですので、初めての方も、これまで参加してくださった方も、ふるってご参加ください。

絵本とごはんのクリスマス読書会報告 Twiiter

絵本とごはんのクリスマス読書会

昨年、好評だった「絵本の読書会」を今年も年末に開きます。さらにバージョンアップして、なんとごはん会付き。一品食べ物を持ち寄り、ごはんを食べながら、お気に入りの絵本を紹介したり、おしゃべりしたり。まだまだクリスマスムードの教会で行います。

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日時:2015年12月26日(土) 18:30pm〜

会場:墨田聖書教会

持ち物:好きな絵本(何冊でも)

    食べ物(おかずになる食べ物歓迎)

参加費:500円(飲み物代、会場費として)

 

*事前予約が必要です。

 参加希望の方はbooksheepbook@gmail.com

・氏名

・年代

・連絡先(電話)

を明記の上、ご連絡下さい。

*右側のサイドバーにあるメールフォームからも申し込みできます。
ツイッターのダイレクトメッセージでも受け付けしています。


墨田聖書教会は、米軍兵舎をリノベーションした築65年、下町の小さな教会です。
アートやまちづくりに積極的に参加しています。
墨田聖書教会

http://sumidabible.blog10.fc2.com/blog-category-7.html

〒131-0033 東京都墨田区墨田3-19-4 ☎︎03-3619-0195
東武スカイツリーライン「鐘ケ淵駅」から徒歩7分
京成線「八広駅」から徒歩10分。

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昨年は、こんなにたくさんの絵本が集まりました。

 

「赤毛のアンと聖書の世界」講演会@甲府のお知らせ

今年のクリスマスも、アンのお話をさせていただきます。村岡花子さんの故郷、甲府からお招きいただきました。ノーベル賞で話題の山梨大学のすぐそばのようですね。ふだんなかなかお目にかかれない山梨方面のみなさま、ぜひ遊びにおいでください。ご案内のハガキをアップしておきます。

 

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「おいしいを読もう ! 食の本の読書会」で集まった本たち

墨田区立ひきふね図書館で行われた食の本の読書会で集まった本を紹介します。おいしい話は尽きません。最後には、食の写真の切り抜きを使って、「今の気持ち」をコラージュにしました。それぞれに持ち味が出ていて面白かったです。各本、こひつじの勝手なコメントを少しつけてみました。

作りおきサラダ

作りおきサラダ

 

このタイトルだけでぐっときますよね。発売当初、ずいぶん話題になった本ですが、今も書店では平積みされて大人気。参加者は働く主婦が多かったせいか、みなさんレシピに興味津々でした。

LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。 (ほぼ日ブックス #)

LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。 (ほぼ日ブックス #)

 

 飯島奈美さんの本は、見てよし、レシピよし、味よし。

シネマ食堂

シネマ食堂

 

こひつじは、これを持参しました。映画と料理と一冊で両方楽しめるお得本です。この中にあるカレーのレシピが、妙に気に入って、しばらく作っていましたっけ。玉ねぎをくし切りとみじん切りに使い分けるんです。

やさしさグルグル (文春文庫)

やさしさグルグル (文春文庫)

 

行正り香」というお名前、どうしてもすらっと読めません。でも、料理の雰囲気は思い浮かべられます。スタイルがありますよね。こひつじも、何冊か作ってみたことがありますが、エッセイは未読でした。ゆったりした時間のとっておき本らしいです。お話をうかがって、読みたくなりました。

行正り香の暮らしメモ100

行正り香の暮らしメモ100

 

 

作家のおやつ (コロナ・ブックス)

作家のおやつ (コロナ・ブックス)

 

このシリーズは、どれもよく取材されていて、楽しいです。

なるほど、料理のことば

なるほど、料理のことば

 

この本をご紹介くださった方は、お父さまがこの本で、料理の勉強をなさったとか。今では、おせちをお重で三段作るほどの腕前だそうです。スバラシイ。

サンマの丸かじり (丸かじりシリーズ36)

サンマの丸かじり (丸かじりシリーズ36)

 

 元祖、食エッセイ !

食事で病気を治す本

食事で病気を治す本

 

 

料理で読むミステリー (生活人新書)

料理で読むミステリー (生活人新書)

 

 ミステリー。何から読んでいいかわからなければ、料理から入る手もありますね。

赤毛のアン レシピ・ノート―L.M.モンゴメリの台所から

赤毛のアン レシピ・ノート―L.M.モンゴメリの台所から

 

 もうばればれですね。こひつじはこれも持参。だって、やっぱりこの本、好きなんですもの。

子どもの本と〈食〉物語の新しい食べ方

子どもの本と〈食〉物語の新しい食べ方

 

 これもばればれ。こひつじです。

大草原の『小さな家の料理の本』 ローラ・インガルス一家の物語から

大草原の『小さな家の料理の本』 ローラ・インガルス一家の物語から

 

 

オニじゃないよ おにぎりだよ

オニじゃないよ おにぎりだよ

 

 とにかく笑えます。愛すべきオニたち。

まないたに りょうりを あげないこと (講談社の創作絵本)

まないたに りょうりを あげないこと (講談社の創作絵本)

 

 

『秘密の花園』読書会ツイート

2015年9月27日・墨田区立ひふきね図書館「食の本の読書会」参加者募集中

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9月27日の午後3時から、ひきふね図書館で小さな読書会が行われます。

図書館バートナーズという区民ボランティアの企画です。こひつじがファシリテーターさせていただきます。3年前にカフェで行ったときには、大いに盛り上がりました。おいしい話は楽しいですからね。墨田区在住在勤に限りますが、ぜひ遊びにおいでください。(要申し込み・無料 )

 

読書会報告『アンの青春』は少女マンガ! ?

 

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今回は10名のアン好きさんが参加してくださいました。10代から70代までと、各世代ほぼ勢揃い。それぞれの時代で、それぞれのメディアからアンに出会った女性たちでした。中学生さんが持参してきたのは、マンガの表紙でした、じつはこれ、近年よくある妙訳ではなく、「完全版」というすぐれもの。

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会場となった貫井南町キリスト教会は、アプローチからしてアンの世界。見上げると空は青く前庭の芝生は鮮やかな緑。気持ちがあがります。

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相棒の美智子さんがすてきなウエルカムボードを用意してくださいました。アンといえば、バラでしょうか。

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聖書にちなんだ植物を各所に配した教会の庭です。

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イスラエルの白無花果。こひつじの教会にもあります。聖書ではおなじみの果実。アンにはでてきませんが。

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憧れの作家、モーガン夫人をもてなそうとアンが心をこめて焼いたレモンパイ。美智子さんがイギリスで地元のお菓子家から学んだ直伝のレシピ。有機レモンを皮までまるごとふんだんに使っています。

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レモンパイは2種類。美味しくてみなさん完食。

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アンの10年読書会では、お茶会は美智子さんが担当してくださるので、こひつじは安心してファシリテーター役に徹しました。じつは私たちは、ともに日本紅茶協会で学んだティーインストラクターというつながり。お互いにアン好きとわかり、意気投合。こひつじにとっては、牧師の奥さんの先輩でもあります。端正な盛り付けに人柄が表れています。

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お皿を彩るのは、プロセスチーズをかりっと焼いたもの。細やかな演出。

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もちろんこちらも手作り。

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昨年のアンの読書会でも大活躍した、美智子さんの絵付けによるカップ&ソーサー。

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ティーポットもイギリス製です。夢見るようなティータイムに、みなさんにっこり。笑顔の絶えないお茶会でした。

 

当日のプログラム

アンの読書会の場合、みなさんそれぞれに語りたいことをお持ちですので、アイスブレイク後は、フリートークでも難なく進みます。この前向きな空気感は、アンの読書会ならではかと思います。まさに「愉快きわまりない」時間でした。

1.アイスブレイク/参加動機、自分とアンとの出会い(これ、盛り上がります。いつも)

2.まずは自由に感想。

3.印象に残った場面の分かち合いと、フリートーク

4.お茶会/モーガン夫人のお茶会の模様を本文から紹介。

    お茶をいただきながら、大人読み紹介。

5.さらにフリートーク

6.参加してみての感想

『アンの青春』は、原題を『 Anne of Avonlea』と言い、アン・シャーリーが16歳から18歳までの物語です。Avonleaとは、アンの暮らすアヴォンリー村のことです。

マリラの視力が悪化し、大学進学をいったん諦めたアンは、アヴォンリー小学校で先生として働き始めます。新米先生(なんと16歳)の奮闘を縦軸に、村人たちとの交流を数多くのエピソードで描き出していきます。グリンゲイブルスでは、身寄りのない男の子と女の子のふたごを引き取るという新たな挑戦が始まり、今度はアンとマリラの協働で子育てが繰り広げられます。先生となったアンが落ち着きを見せていく中で、ふたごの男の子デイビーが、突拍子もないアンの子ども時代を再現するかのように、次々と騒動を起こして、物語に彩りを加えます。もちろん、ダイアナやリンド夫人、ギルバートも健在です。

赤毛のアン』は1908年6月に出版されました。モンゴメリー自身は、アンの物語をシリーズ化するつもりはなく、読み切りの作品として執筆しました。ところが、『赤毛のアン』を発売する前から、版元はその続編をモンゴメリーに依頼しています。1908年11月初旬には、モンゴメリーは版元に原稿を送っていますが、実際に『アンの青春』が出版されたのは翌年1909年9月、1年近くも後のことでした。これは、『赤毛のアン』が予想外のヒットを飛ばしたので、版元としては売れるだけ売り切ってから続編を出すという販売戦略のためでした。

あらためて大人読みをしてみると、『赤毛のアン』があってこその続編ということで、読者の願いを集約したような期待を裏切らない作りを面白く感じました。けれども、モンゴメリの日記や書簡を読むと、著者自身は続編に気乗りしていないことがわかります。続編が出版されるや、「すでに首までアンに浸かっているので、3冊目など御免こうむりたい」という心情を吐露しています。それでも、読者の期待を心得て、ツボをおさえているところは、一種の職人芸とも言えそうです。今では言えば、読者アンケートの結果に追いまくられ、この連載から降りたいと願いつつも、不動の人気を維持し続ける人気マンガ家さながらの気概といいますか。(こひつじはその昔、マンガの編集部で働いていた時代がありまして、こんなたとえ )。

赤毛のアン』は、リンド夫人の堂々たる登場で幕開けしますが、 『アンの青春』は、アン自身、それも夢見る16歳の姿から始まり、おなじみのアンの様子に読者は安心します。しかし、その空想は、隣人の畑に自分の牛が入り込むという事件で中断させられます。隣人とのトラブルといえば、『赤毛のアン』読者ならば、リンド夫人を思い出し、また牛の取り違えからは、孤児アンが男の子ではなく女の子だったという行き違いを思い出すわけで、こうして1巻から2巻への橋渡しがうまく展開していきます。その後、ハリソンさんに損害を与えてしまったアンは、意を決して謝りに出かけます。気難し屋だと思っていたハリソンさんが、じつは話のわかる隣人だったというくだりは、リンド夫人に謝りに行く少女アンや、ダイアナのジョセフィン叔母さんのことなどを彷彿とさせるエピソードです。

このような『赤毛のアン』のオマージュ的な要素が随所にちりばめられ、アン好きには宝探しにも似た楽しさを発見できるのが、『アンの青春』の特徴のひとつかもしれません。先生となったアンは、猛烈なおしゃべりや失敗は減ったものの、髪の毛ではなく、鼻を赤く染めてしまったり、女友達とのピクニックでは、ロマンチックを爆発させたりと、私たちのよく知るアンらしさも満載です。

『青春』と訳した村岡花子さんのセンスによって、日本の読者は、アンとギルバートとのその後を期待しつつ読めるのも嬉しいところです。ギルバートはちらちらと姿を見せて、その好青年ぶりを印象づけます。読書会に参加された方が、「ギルバートの心情をもっと書いてほしかった」と話されていました。確かに、ギルバートはアンに対して驚くほど慎重です。それに対して、「アンの性質をよく理解しているので、簡単には気持ちを見せないのでは」という意見もありました。アン・ブックスにおいて、モンゴメリー は男性側の心情をほとんど書きません。女性側からの心情だけを描くのは、もしや、当時の女性の置かれた立場や牧師の妻という立場を、必要以上に厳格に受け止めていたモンゴメリーの考えによるのかもしれません。

 26章には「道を曲がったところ」というタイトルが付けられています。『赤毛のアン』の「道の曲がり角」では、マシュウの死によって、アンは大学進学を諦めて教師の道を選びますが、こちらでは、リンド夫人の夫の死によって、マリラとの同居が決まり、アンは晴れてレドモンド大学へ進学することが決まります。この大団円に、多くのアンの読者は満足すると思います。最後の場面では、ともに進学するギルバートの将来への甘い夢が、地の文で語られています。アンとギルバートのロマンスの予感を読者に与えての幕引きです。このあたりも、少女マンガの王道に通じるような。うまいんですね、夢見る女子の気持ちをつかむのが。子どものころ、この『アンの青春』のラストシーンを、どきどきしながら繰り返し読んだ記憶があります。もしかすると、少女マンガと同じ感覚で、アンを読んでいたのかもしれません。

来年は、いよいよ『アンの愛情』。恋愛ものですよ。ときめき満載。1年後、みなさんとお目にかかれることを楽しみにしています !

 

9月26日(土 )『秘密の花園』参加者募集中 !

アン・ブックスを読む10年読書会の報告を書く前に、こひつじのブログに当日の写真をアップしました。読書会の内容は、いずれ書きたいと思っていますが、まずはこちらをのぞいてみてください。モーガン夫人のお茶会のレモンパイ、それはそれは美味しそうですよ。10月と12月には、世田谷と甲府でアンの講演会を予定しています。年内は、まだまだアンな気分で過ごしたいと思ってます。

annestea.exblog.jp

 

さて。9月になりました。26日は、次回の読書会です。課題図書は『秘密の花園』。今回は場所も内容も、特別バージョン。 読み切れないかもという方でも、植物に関心のある女性でしたら、歓迎いたします。(今回は女性限定企画 )。お申し込み方法などは、下記の記事からご覧ください。

 

 

《コラボ企画》プランツスタイリスト井出綾さんと読む、バーネット『秘密の花園』読書会

現在、参加者募集中 ! 初めての方もお気軽に。

今回の会場は目黒区ですよ。

 

         The Secret Garden 100th Anniversary

花とグリーンを感じる空間で、ゆるやかにつながる読書会

この秋、プランツスタイリストの井出綾さんのアトリエで、『秘密の花園』を読みます。墨田にスカイツリーが出現する以前、地元に古くからあるアートギャラリーのワークショップで、綾さんの花あわせに出会いました。下町の路地園芸を観察した後で、野の花たちを自由に生けてみる。下町の風景も、土手に生えていそうな草花たちも、こひつじには日常的なものでしたが、綾さんのお話をうかがううちに、実はそれほどきちんと見ていなかったもしれないと気づかされました。

そのとき以来、こひつじは綾さんの花あし実はらいのファンに。よくよくお話してみると、なにやら「根っこ」なるものにこだわりをお持ちのようです。切花を活けていても、そこには見えない根っこを感じている。

秘密の花園』にも、たくさんの「根っこ」が出てきます。枯れたようにしか見えない植物たちが再び成長を始めたのは、そこに根っこがあったから。とはいえ、根っこだけではうまくいきません。いのちへと導く光、水、そして何よりも生けるものへの愛情という魔法が必要です。

この物語では、打ち捨てられた庭の再生を通して、大人たちに見捨てられた子どもたちの魂が再生していきます。物質は豊かに与えられていても、かんじんなものが与えられないと子どもたちはどうなるのか。こんな視点から見ると、ひじょうに現代的なテーマを含んだ物語です。2013年には『バーネット自伝』が翻訳され、100年以上は経つ『秘密の花園』に、再び関心が集まりました。

植物も本も、ふだんの暮らしに小さな気づきと潤いを与えてくれる心の糧だと思います。当日は、いつもの読書会のスタイルに加えて、お茶の時間には、綾さんにプランツスタイリストというお仕事や植物のある暮らしの楽しみなどをミニトークしていただきます。花やグリーンが好きな方、また、植物のお仕事に関心のある方には、ことに貴重な機会になると思います。先着順ですので、お早めにお申し込みください。

 

秘密の花園〈上〉 (岩波少年文庫)

秘密の花園〈上〉 (岩波少年文庫)

 

 

秘密の花園〈下〉 (岩波少年文庫)

秘密の花園〈下〉 (岩波少年文庫)

 

 

🍀向島ひつじ書房×プランツスタイリスト井出綾さんと読む

  バーネット『秘密の花園』読書会

日時 2015年9月26日 (土) 14 : 00〜16 : 00 

課題図書 『秘密の花園

場所 Bouquet de soleil / ブケ・ド ・ソレイユ

   東京都目黒区八雲(最寄り駅:東急東横線都立大学」or「自由が丘」)

   ✴︎お申込みいただいた方に、地図をお送りいたします。

参加費:1000円(お茶会+井出綾さんのミニトーク付き )

定員:10名(女性限定・先着順 )

持ち物:『秘密の花園

✴︎当日までに『秘密の花園』を読んでご参加ください。翻訳は自由ですが、できるだけ完訳をお選びください。

 

お申し込み方法

・氏名

・年代

・連絡先(携帯番号 )

を明記して、メールにてお申し込みください。折り返しご連絡いたします。

お申し込み先 booksheepbook@gmail.com

 

 

Aya Ide / 井出 綾 

soleil-net.com

プランツスタイリスト
輸入雑貨店、デザイン事務所を経て、アレンジメント教室勤務。フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学び1994年よりフリーランス
雑誌、広告、イベント、商業施設でのアレンジやスタイリングと、「花あわせレッスン」やカルチャースクール、ワークショップなどのスクーリングを主に、自然と暮らしをつなぐ花を提案している。

Bouquet de soleil / ブケ ド ソレイユ
Bouquet de soleilは生活に花やグリーンなどの自然を取り込み、暦とともに暮らす楽しみをさまざまなシーンで提案し、身近な植物をとおして、季節の変化や景色、花鳥風月を感じるお手伝いを行っている。

  

井出綾さんの著書紹介

花の教室  季節の花の85アレンジ

花の教室 季節の花の85アレンジ

 

こちらにはこひつじが愛犬とともにちっちゃく登場してます。

花あわせノート―いつもの器とすこしの花で愉しむフラワーアレンジメント (セレクトBOOKS)

花あわせノート―いつもの器とすこしの花で愉しむフラワーアレンジメント (セレクトBOOKS)

 

 すぐにでも暮らしに取り入れられるアイデアがたくさん。こひつじも頼りにしてます。

花とまいにち

花とまいにち

 

 

小さな生け花 春―わが家に春がやってきた

小さな生け花 春―わが家に春がやってきた

 

 

小さな生け花・夏―涼しさをはこぶ花たち
 

 

 

 

《コラボ企画》アン・ブックスを読む10年読書会vol.2『アンの青春』とお茶会のお知らせ

 

アンの青春―赤毛のアン・シリーズ〈2〉 (新潮文庫)

アンの青春―赤毛のアン・シリーズ〈2〉 (新潮文庫)

 

 

いよいよ今年も年に一度のアンの読書会シーズンが到来 ! 毎年1冊、アン・ブックスを読む10年計画の読書会のご案内です。

第2回目は、『アンの青春』です。前回以上に素敵なお茶会は、イギリス仕込みのレモンパイの予定です。もちろん紅茶も新鮮。スリランカ直送、日本紅茶協会認定ティーインストラクターのふたり、私こひつじとメリーさんのコンビでおもてなしいたします。

今年からはアン初心者の方でも、歓迎いたします。この機会に少女アンのその後をごいっしょに楽しみませんか。アンがクイーン学院を卒業後、島で教師として奮闘するお話となります。青春の名の通り、もちろんロマンスも随所に。あらかじめ読んでからご参加ください。

 

日時:2015年8月22日(土) 14:00〜16:00

場所:貫井南町キリスト教会(最寄は JR中央線国分寺駅 )

   ✴︎教会への直接のお問い合わせはご遠慮ください。

課題図書:『アンの青春』

      (2008年度改訂版村岡花子訳/新潮文庫を推薦します )

参加費:800円(茶菓代)

 

*事前予約が必要です。

参加希望の方はbooksheepbook@gmail.com

・氏名

・年代

・連絡先(電話)

 

を明記の上、ご連絡下さい。定員になり次第、締切り。お待ちしてます。

*右側のサイドバーにあるメールフォームからも申し込みできます。